かゆみの原因は角質層に入り込むヒゼンダニかも!

痒みのある腕
皮膚にかゆみが生じる原因にはさまざまなものがありますが、ヒゼンダニが皮膚の角質層に入り込んで寄生しているためである場合もあります。ダニは種類によっては人を刺したり、大量発生して死骸やフンで人にアレルギー症状を起こさせたりしますが、中には人の皮膚に寄生するものもいます。それがヒゼンダニです。ヒゼンダニは、人の皮膚の角質層に入り込み、寄生します。肉眼では見えず、医療機関で特殊な拡大鏡を使って確認されます。

ヒゼンダニにとって、人の体温は最適な温度です。そのため人の体から離れると活動しにくくなり、摂氏16度以下になると動けなくなります。ヒゼンダニは人の皮膚の角層に疥癬トンネルと呼ばれる横穴を掘って進み、そこに卵を産みます。1日2個から3個産卵し、産卵期間はおよそ1か月間です。卵は3日から4日で孵化し、幼虫になったヒゼンダニはトンネルを出て歩き回ります。卵から孵化してからやがて卵を産むようになるまでの日数は、10日から14日です。

ヒゼンダニが寄生するのは、主に人体の手首や手のひら、指の間、および指の側面などが多いです。寝たきり状態の高齢者や乳幼児になると、足に寄生されることもあります。疥癬トンネルがつくられた場所には丘疹と呼ばれる赤いブツブツができ、非常にかゆくなります。主に皮膚接触によって人から人へと感染しますが、寝具から感染することもあるようです。

ヒゼンダニによって引き起こされる皮膚疾患には、通常疥癬と角化型疥癬があります。角化型疥癬は免疫力が低下している場合に起こり、通常疥癬には免疫力が正常な場合であってもなり得ます。角化型疥癬は非常に重い症状の皮膚疾患ですが、罹患者数は少なく、ヒゼンダニによる疥癬では、普通は通常疥癬のことを指す場合が多いです。

ヒゼンダニは有史以来ずっと、人間に寄生してきました。人体に寄生するため、人がいる場所なら寒い地域にも存在します。動物には寄生できませんので、動物からうつることはありません。

疥癬の治療方法はイベルメクチンという薬を服用

疥癬の治療には、イベルメクチンという内服薬が用いられます。イベルメクチンは保険適用の薬です。治療には外用薬が用いられることもあり、内服薬と外用薬が併用されることもあります。かゆみへの対症療法としては、抗ヒスタミン剤が用いられます。ただ、抗ヒスタミン剤ではかゆみは軽減できますが、ヒゼンダニを根絶することはできません。あくまでもかゆみ対策としてだけに用いる薬となります。

根本治療薬であるイベルメクチンは、空腹時に水で服用します。その1週間後に受診し、まだヒゼンダニが皮膚から発見されたり、新たな疥癬トンネルが発見されたら、もう1度、イベルメクチンを服用することになります。通常はイベルメクチンを2回服用すると、およそ1か月ほどで治癒するケースが多いです。治癒した可能性が認められてから1か月後に受診し、ヒゼンダニが皮膚から発見もされず、新たな疥癬トンネルもできていなかったら、治癒したということになります。

ただ治癒しても、高齢者の場合は再発することもあるので、その後数か月間は再発がないか確かめるために受診することが大事です。

イベルメクチンは保険適用される唯一の内服薬で、ヒゼンダニに耐性がつくのを避けるため、処方は最小限に抑えられています。2回服用すれば、たいていの患者は治りますが、効かなかった場合は、外用薬も使う場合があります。初めから外用薬を使ったり、併用したりする場合もあり、それは医師の判断次第です。

治癒すると、かゆみから解放されますが、再び感染しないように、感染原因となるようなことは避けるようにすることが望まれます。寝具に掃除機を入念にかけたり、洗濯ものを50度以上のお湯につけたり、入浴して肌を清潔に保つなどの対処が必要です。